じーちゃんサンタの奇跡の話

クリスマスが近づくと毎年必ず思い出すエピソード。

もしかしたら、この話は意外とあり得ることなのかも知れない。

だけど、それが起こる確率は極めて低いんじゃないかな。

だから奇跡って言っちゃうもんね〜。

ぽかちゃんのおじいちゃんの不思議でとても大好きな話です。

突然教室にやってきたぽかちゃんの後輩

始まりは、ぽかちゃん（うちの奥さん）が大学生の頃のこと。

ぽかちゃんは地元からかなり遠く離れた大学に通っていた。

ある日、後輩の男の子が突然教室にやって来て、こんな話を始めた。

匿名の怪し〜い「じーちゃんサンタ」。

それが誰なのか、ぽかちゃんは誰よりも良く知っている。

大好きなおじーちゃんのことだ。

怪しいじーちゃんサンタ見参

ぽかのおじいちゃんは、彼女が小さい頃から何十年も毎年一度も欠かすことなく

『今年は何人子ども達がいるのか？』

と、孤児院に聞いてはお菓子の詰め合わせを注文してクリスマスの日に持って行き…

名前を語らず逃げるように帰ってくる。

そんな「怪しいじーちゃんサンタ」であった。

けれども、すぐに車のナンバーで身元がばれてしまったそうだ…笑。

それでもおじいちゃんは毎年【子ども達の人数分＋孫たちの分】のお菓子を注文しては孤児院に届け、

そして同じお菓子の詰め合わせを一つ、孫であるぽかちゃんにもくれました。

毎年欠かさずにプレゼントを配っていた理由。

それは毎年子どもたちに喜んでほしいからである。

ある年からいきなり来なくなってしまっては楽しみに待っている子どもたちを悲しませてしまう。

しかしおじいちゃんは時折、不安になるとこう聞くのでした。

『ぽかちゃんは、こんなお菓子もらって嬉しいか？』

彼女はそんな時、

「もちろん嬉しいよ！クリスマスにこんなお菓子もらえたら、みんな喜ぶよ」

そう答えていた。

その度におじいちゃんは、ホッとした表情になったそう。

おじいちゃんは、なぜ不安になることがあったのか？

実は施設のスタッフさん方からは、おじいちゃんのこの勝手な行動があまりよく思われていない様子だったからなのだそうだ。

だから、おじいちゃんからすれば

本当に子ども達は嬉しいのか？？

本当は迷惑なのではないか？？

子ども達に会う事もなく…葛藤しながら毎年匿名サンタを何十年とやってきたおじいちゃんにとって、

自分の行動が本当はどう思われているのか？

気になるのは当然のことだったに違いないだろう。

神様はなかなか粋な演出をする。

そんなおじいちゃんへの神様からのサプライズプレゼントは、

孫であるぽかちゃんを通じて伝わることとなった。

この後輩くんの話を聞いたおじいちゃんは、本当に嬉しかったみたいで終始ご機嫌だったそう。

ちょっと考えてみて欲しいんです。

ある日突然、何の前触れもなく、それまで周りでそんな話題で盛り上がっていたわけでもなく

突然教室に入ってきた後輩くんが真っ直ぐに自分のところにやって来て

開口一番「おじいちゃんのサンタの話」をする確率って

どのくらいあると思いますか？？

さらに言えば、その後輩くんと当時孤児院でプレゼントを楽しみにしていた女の子が付き合う可能性も。

※ちなみにその後輩くんの地元は全然違う地域だそうだ。

凄いなぁ！！神様って本当にいるんだー。

ぽかちゃんが、心からそう思った瞬間でした。

神様は本当に粋な演出を好む存在だと思う。

直接おじいちゃんにではなく、孫を通じて

「毎年のプレゼントが楽しみだった」ことを伝えに来るなんて。

それとも、ぽかちゃんが昔から神様に気に入られていたのか。

何にせよ、とても不思議でとても温かくて大好きなエピソードである。

おじいちゃんも天国で一緒にいるかな

そんなおじいちゃんは、生粋の商売人で経営者。

まったく見栄を張らない方で
『商売人はいい車なんて必要ない』

と、ごく普通の車に乗り、

ブランド物？そんなものは必要ない。

いつも作業着でいるか、おばあちゃんがチョイスしたお洋服を着て、
料理もおばあちゃんの手料理しか食べない。

『普通は銀行に金を借りに行く時はスーツだな。だけどじーちゃん、いつも作業着で銀行に行ったよ。でも、貸してくれた』

そう語るおじいちゃんは本当に尊敬する素晴らしい方でした。

作業着姿で銀行に行くじーちゃんの話は特に好きだ。

はっきり言ってカッコイイ！

全く飾り気も無く自分の気持ちに忠実に生きたおじーちゃん。

数年前にお空に還ってしまいましたが、おばあちゃんとぽかちゃんと仲良くやってるかなぁ。

かなり過激なじいちゃんだったから、あちらでもおばあちゃんと毎日口喧嘩してそうだけどね。

さてさてオイラは今年からクリスマスはどう過ごそうか…。