オイラがシンパパになるまで…其の参

MRIの結果、脳内にインクを染みこませたかのような画像結果が出たぽかちゃん。
専門医に「ちょっとビックリするレベル」と言われるも、MRIの画像だけでは複数の症状が想定されるため診断が下せない。
脳の病気はここが難しく、そして診断確定から治療に入るまでに時間がかかるところだ。
検査入院を余儀なくされた妻だが、果たして我が家の超ワガママちゃんは大人しく入院できるのだろうか…。

あれこれ検査の日々

病院のベッドはいっぱいだったが、2日程でベッドに空きができたという連絡が入り、思っていたより早く入院となった。
不安そうな表情で病室に向かうぽかに「とりあえずチャチャッと検査してもらって帰っておいでーな😉」とニコニコ顔で送り出す。
そう、いつもこんな感じの夫婦だからね。うちの奥さんは強運の持ち主なので、病院で見送る時もこんな感じでOKなのです。

病室に向かう奥さんを見送る

さっそく血液検査やらレントゲンやら基本的な検査を行ったのだが、今の脳の状態から見るに
MOG抗体関連疾患(多発性硬化症脳炎、視神経炎など)の可能性を考えてまずは脳脊髄液を採ることから始めましょうとのこと。その髄液を研究機関に送って調べる必要があるそうだ。
MOG抗体という文字を調べるだけでも「難病」とか、治療が難しいという検索結果が出てくる。

ちなみに「多発性硬化症」を調べるとステロイドパルス療法という治療法が出てくるが、これはワタクシ2023年に急性肺炎に罹患した際に経験済みです。脳が大覚醒してとんでもないハイになります。夜は眠れず常に興奮状態。なんと外国語のヒアリング能力まで大幅にアップするという今となっては笑えますが相当やばい治療法なんです。
それはまた別の機会に。

で、話しが逸れましたが脳脊髄液を採るということはですよ?

  • 腰椎穿刺とは、脳脊髄液という脳と脊髄の周りに溜まっている無色透明な液体を取るための検査です。
  • 腰椎穿刺では、患者の腰の位置から針を刺し、背骨の後ろにある脊柱管から脳脊髄液を取ってきます。
  • 脳脊髄液は脳や脊髄から出た成分を多く含んでいます。そのため、この成分を調べることで、細菌や異常な細胞が含まれていないか、脳や脊髄の病気がないかを評価することができます。

お医者さんオンラインより引用

なるほど、つまり背骨と背骨の間に針を刺して髄液を採るのですね。

背骨と背骨の間に針を刺す…。

…。

ギャー!ムリムリそれは無理、痛いの大嫌いなうちの奥さんには絶対に無理。

比較的注射好きなドMのオイラは白血病の生検の時に経験済みだから、大した事ないの知ってるんだけど、ぽかにはかなりハードルの高い検査であることには違いない。

「しかし脳の髄液を調べなければ先に進めませんよ😟」と冷たく無表情で話す主治医の先生に沸々と怒りのエネルギーを溜め始めるぽかちゃん。

オイラもLINEと電話で説得して、どうにか注射には耐えてくれた。

脳生検だけは絶対にイヤ!!

採った髄液は大学の研究機関で調査を行うのだが、その結果が返って来るまでだいたい3週間前後とのこと。結構長い、それを待っている間にも脳の影が広がっていくことも十分想定される。
そのため主治医の先生からはこんな提案もされた。

脳生検もした方が良いと思います。

うん、必要なのかも知れないけども簡単に言ってくれますね。

きっと言われるだろうなと予想はしていたが、今回の入院でもっとも恐れていた処置だ。
だって頭蓋骨を10円玉ほどの大きさとはいえかち割って直接脳の組織を採るんですよ!?

夫としても出来ればこの脳生検はやらないで済む方向が望ましい。
まずは採った髄液の検査結果を待ってあげたい。

脳生検すべきか、しないで検査結果を待つか…。
そんなことを二人とも引き伸ばしにしながら追加の検査も出来ずに無駄な1週間が過ぎた頃、
疲労のせいかオイラが高熱を出して寝込んでしまった。

脱走患者、現れる。

喉も痛くなければ咳も出ないのだが、体が重い。
熱を測ったら38℃後半🫠こんな時に俺は何を寝込んでいるんだ…。

ぽかとLINEで会話をしながら心配をかけぬよう「ちょっとくたびれただけかも〜。今日は寝てるよ」
と話しをすると。

いまタクシー乗ったとこ♪

は!?なんで?何やってるの?うちの奥さん。

ぽかは大チャンス到来と感じたようだ。
もう入院していても検査結果が出るまでは何も出来ないわ、脳生検も絶対イヤだし、
そして旦那は高熱出して寝込んでいるわ。

「退院させてくれさい」
と言えるグッドタイミング!!ということで先生に
「うちの旦那が熱出して寝込んだ!もう帰るから」と無理やりお願いして
退院(脱走)をしてしまったのである。

当然主治医の先生からは「自己責任ですからね!私たちは知りませんよ!!」と何度も釘を刺された。
しかし何かあればすぐに連絡をということで、久しぶりの我が家でゆっくり過ごせることになった。

不思議なことに、ぽかが帰ってきたタイミングでオイラの熱もスーッと引いて、
感動の再会を果たすことが出来た。

いつも通りただソファに座って隣でくっついてお茶を飲む。
どこかにおでかけするでもなく、ずっとくっついているだけ。
寝る時もお互いの背中をぴとっと付けているだけ。
それだけで心が満たされて、安心できる。

ただただ幸せで大満足なのだ。



無理矢理にでも退院してきたぽかがこの身体で自宅で過ごせる最期の10日間となる…。


だだぴ
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